草鞋日記(2日目:宝満山)



 県道578の終点、竈門神社前の駐車場に車を置いて、宝満山829mを往復した。
上りでは参道を歩いて真っ直ぐに頂上を目指し、下りには羅漢道を巡った後行者道で降りた。
上り:95分、下り:97分のハイキングコースである。

 朝8時に竈門神社に着いた時は、予報通り雨模様で、時たま霧雨が降った。
駐車場には山歩き姿の男性がいた。これから登るのかと思いきや、そのうち靴を脱ぎだした。地元の人にとっては、朝飯前のウォーキングなのだろう。(昨日の、右田ヶ岳でも、毎週登るという人がいた)

「参道は傘を差して歩けますか?」と聞いたところ、

 『傘を差して登ってますよ』

との答え。リュックに、折り畳み傘を入れて登ることにした。

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(竈門神社)


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 神社脇の車道を少し進むと、大きな石の鳥居(一合目の鳥居)があって()、そこが参道の始まり、即ち登山口であった。
神社の背後の山に奥宮があるのはよくあることだが、奥宮の鳥居がこれほど大きいとは、びっくりである。

木立の中の参道は、天候が好くないこともあって暗い。
しかし、これなら少々の小雨でも濡れることはあるまいと、気分が楽になった。



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一時的には山道となったが、再び参道に合流し、やがて「一ノ鳥居」に着いた。
この鳥居も立派なものだった()。

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(一ノ鳥居)



 いよいよ自然石で出来た石の階段が始まった。

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 石段は、ほぼ途切れることなく続いた。

木々に包まれ外界が見えない中、無念無想でひたすら登る。口に唱えなくても六根清浄、雑念が入る隙間も無い。信仰を持たない自分が云うのもおこがましいが、これこそが信仰登山が尊ばれた理由であり、また好まれた理由でもあったろう。凡夫には座禅は難しいが、疲労に堪えて山を登るなら、一時的ではあっても煩悩から離れることが出来る。

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(「百段ガンギ」)



 傾斜の急な「百段ガンギ」ガンギとは階段を意味するらしい )を上がったところが、「中宮跡」)だった。

今は何もないが、かって修験道が盛んであった時代には本地仏十一面観音を祀る堂宇が建ち並ぶ修法の中心地で、明治初年の神仏分離令による廃仏毀釈の嵐のなかで取り壊されたと云う。下にあった大きな鳥居は、当時の名残を示すものだろうと思えば、立派なのも納得がいく。

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(中宮跡)


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 10時半、平均コースタイムを大幅に超過して、宝満山829m頂上に着いた。
「一ノ鳥居」の標高は約330m(推定)だから、休み休みであったとは云え標高差500mをほぼ石段ばかり90分掛けて登ったことになる。

 頂上には、地元の人であろうか、リュックを背負わず雨傘だけを持ちゴム長靴を履いた男性がいた。天気が好ければ、何処何処まで見えると詳細に教えてくれた。

 頬に冷たい雨粒が当たった。休まずに降りることにした。

下りには「羅漢道」を選んだ。

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(宝満山頂上。右は、竃門神社上宮)


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(羅漢道)



 こちらの道は、修験道の山に相応しい山道であった。

だが、なかなか羅漢も石仏も現れなかった。

しばらく歩いたところでようやくそれらしき石像が現れたが、それらは皆、首から上がなかった。

今までも、首から上が欠けた仏像を見たことは少なくない。多分風化して脆くなったのだろうと、不思議に感じたことはなかった。

ところが、此処の壊れ方は尋常ではない。意図的に破壊したように見える。
ふと気が付いた、「廃仏毀釈の所為ではないか」、と
像の数が少ないのも、谷底に蹴落とされたのではないか、
破壊されたのは、仏教的堂宇だけではなかったのではないか、と

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(胸の上から欠けた石像と、顔の半分を失った像)


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 「中宮跡」の上部で参道と合流した。
ガイドブックによると、中宮跡から先は「行者道」で降りることも出来る。
あの延々と続く長い階段は変形性膝関節炎を患った者には辛い。

ところが、下り口を示す表示がない、ポピュラーなコースらしいのに

左手の隅に踏み跡らしいものが見えたので()、そこから降りることにした。

行者道らしい荒々しさがなく、道を間違えたのではないかとの疑問も消えないまま下っていると、竃門神社へ続くことを示す、素人臭い表示もあり、一安心。

あまりにも易行の道が続き面白味がないので、鳥越峠からは林道を降りた。

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(登山道で出合った華)
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  • 年の瀬や(2)

    Excerpt:  いよいよ今年もどん詰まり  年賀状も締め切りにぎりぎりで間に合った。 Weblog: 含胡亭片靴 racked: 2012-12-31 09:36