九州の山(第4日:桜島)

 昨夜泊まったホテルのサービスはよかった。一通りの設備が整っているにも拘わらず安く、その上アダルト放送が無料見放題。公共事業が減って、利用客が少なくなり、競争が激しくなっているからだろう。しかし、コインランドリーは、何故か有料。

 人吉を6時に出発、国分ICで高速を下りた。地方都市周辺でよく遭遇するのだが、ここでも市街地でもないのに交通量が多くて渋滞があり、鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊航空基地史料館に着いた時は、9時直前だった。

【海上自衛隊鹿屋航空基地史料館】
 ここには、かって海軍の特攻基地があり、1000余名の若者が国を信じて、国に命を捧げた。史料館には、数は多くはないが明治の海軍創生期から敗戦までの資料が、分かりやすく整理されて、展示してあった。

 戦前生まれなら小学校で習ったであろう、佐久間艇長や文部省唱歌にまでなった広瀬中佐については、大きな展示スペースがとられていた。展示は、後で話を聞いた職員も言っていたことだが、写真、新聞記事、残された資料を展示しているだけで、論評は加えられていないから、軍国主義を賛美するものではない。軍人として、人間として尊敬できる行動をとったのであるから、今の子供達が見るのもよいことだと思った。

 特攻隊関係については、最大のスペースが割かれていた。尉官が多かったが戦死による2階級特進したからであろう、皆若い。没年が17才、18才とあるのを見た時は、涙を止めることが出来なかった。遺書の大部分は、優等生的な作文に見える。しかし、本音であったろうと想像する、そう思っていたからこそ、出撃命令が下るまでの日々を耐えられたのではないか。なかには、祖父母や両親への感謝と、自分の覚悟を述べた後、幼い弟にカタカナで後事を託したものあった。

 奇異に感じたのは、「最後の特攻」として知られる宇垣中将について、遺書など広いスペースが当てられていたことである。特攻の責任者であった中将は、天皇の戦争終結の詔勅が下りた後、部下の操縦する飛行機に乗って、複数の機と共に特攻を敢行した。中将の思いを聞いた部下が、「一緒に連れて行って下さい」と懇願したと言われる。しかし、戦争終結後のことであり、高い地位にあったことを考慮すると、私に兵を動かしたも同然である。旧軍規でも私兵を動かした者は、死刑であると聞いたことがある。人命を尊重する今の自衛隊では、あってはならないことであるし、また無いであろう。

 いくら史料を展示しただけ、(靖国神社の遊就館とは違う)と言われても、宇垣中将に関してはメッセージ性を感じる。今の自衛隊の中に、中将の行動に共感する、あるいは共感すべきであると考える人達がいるのではないかと、危惧する。自衛隊が、中将の行動に賛成できないのなら、展示は止めるべきである。このような状態では、防衛庁の、省への昇格には反対である。

 下の写真は、旧海軍の大型飛行艇で、調査のため米国に移送されていたと言う。史料館の傍には、自衛隊で実際に使われた10数機種の航空機が展示されていた。

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【桜島】
 国道220号で桜島に向かう。

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 桜島は、活動中なので山頂に近づくことは出来ない。車で標高373mの「湯ノ平展望台」に上がるだけで満足することにした。

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 鹿児島の街は、海で隔てられてはいても目の前で、フェリーで15分である。道路の先に、高速道のICのようなゲートがあり、そこで料金を払って船に乗り込んだ。時間が短いから、車から降りないドライバーも多い。ここでは、フェリーは、「道」なのである。



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【仙厳園】
 島津久光の別邸として建てられたという仙厳園を見物した。桜島を築山に、錦江湾(鹿児島湾)を池に見立てたと言う。右の写真で、前方の黒く見える生け垣の向こうは、今は道路になっているが、当時は垣も道路もなかったろうから、言い伝え通りの雰囲気が感じられたに違いない。豪気なものである。

 周辺は、島津斉彬が江戸末期に造った、国内初の近代的工場群“集成館”があった所で、その遺物が残っている。
 下写真左は、反射炉の基部、右は水力発電用のダムの跡である。



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【指宿へ】
 指宿スカイラインを経由して、明日登る予定の開聞岳の麓の指宿に向かう。

 右写真は、池田湖越しに見る薩摩富士・開聞岳である。



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 今晩の宿は、国民宿舎。

予約の電話をしたら、

 『部屋にトイレは付いていませんけど・・・』
 「いいですよ」
 『3階ですが、エレベータがありません』
 「かまいません」

で、無事契約。最近は、こんなことが問題になるのだろうか。
(右写真は、日没直後の開聞岳)   (続く)

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この記事へのコメント

2006年11月07日 16:21
命令に従って死んでいた若い人たちのことは忘れられません。
九州の海の青さにはびっくりですね。
開聞岳の優美なながい裾野、夕日がきれいです。
片靴
2006年11月07日 22:00
森の生活さん、こんばんは
特攻隊員は、皆若かっただけに、心に重くのしかかります。戦争を知らない最近の若い人達は、これを見てどんな感じを持つのでしょうか。
○○富士というのは、多いのでしょうが、開聞はピカイチの部類でしょうね。

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